2025年2月10日月曜日

中学校登校体験~”巣立ち”を迎える季節~

【コラム】学びの選択肢を広げる~将来設計の変化に向かう力~

1月末に学校運営協議会が行われました。未来に向かう子どもの学びに、大人がどう関わっていくかが話題になりました。

その関わりの一つは、将来にむけた学びのサポートです。

例えば、小学校では「かけ算九九」を習得にむけ、地域の大人が練習相手になる取組が進められています。

小中一貫教育では、大人が中心だった「親子で学び」から、中学生が主体となる「緑の学び」へと変遷をたどってきました。

このことは、指示されて動く受動的な学びから、子供自身の意思による「主体的な学び」にシフトすることであり、そこで身につく力は、子どもが将来「自己選択・自己決定」する行動につながるという見通しの中で、様々な教育活動が変化していきました。

今年は開発局の防災教育出前授業をCS委員に参観いただくなど、新たな取組を模索してきました。

こうした関わりは、子どもの学びの選択肢を広げることにつながり、それは、将来の進路選択にもつながります。

現在、公立高校入試では一部WEB出願、受検料はクレジット決済有など手続き方法が変わり、子供も大人も時代の変化への対応がもとめられ、学びの選択肢も多様化しています。

例えば、従来の普通科、定時制といったものだけでなく、

オンラインで学ぶ通信制や、朝の部・昼の部・夜の部と希望する時間帯で学ぶことができる高校もあります。

また、別の選択肢として、国際系、理数系、農業系、工業系、商業系、看護系、音楽系、美術系などの専門学科、総合学科、高等専門学校の中には起業系もあります。

公立高校では「総合的な探究の時間」が導入され、多様な課題解決にむけて問題解決の手法を活用することや、AIなどのICTを活用しつつ、その表現方法としてプレゼンテーションで具体的提案をすること、その成果物として商品開発や販売するなど、社会を変える”起業”につながる学びが現実になっています。

新しい学科ができるのと同時に、募集がなくなる学科もあります。

日々、子どもの将来設計は変化しています。

今週から私立高校で入試が行われます。

今、新たな一歩を踏み出す舞台へ向かう中学3年生は、どんな心もちでいるのでしょうか。

進学は社会に出るための学びに向かう選択。その選択をする際、自分がやりたいことは何か、なぜやりたいのかを考えること、未来の自分の姿を想像することでしょう。

そして、選択には迷いはつきものです。途中で足ぶみをする、立ち止まる、思い直して、方向転換する、再選択することは誰にでも起きえます。休憩する、ブレイクタイムは必要です。

どこかのタイミングで、ブレイクスルーすることが起きていくように、

自分にとって価値が見いだせる”学び”を「つづける」ことが大切だと思います。

あきらめなければ、何度でも立ち上がり、やり直すことは可能なのです。

この春、前期日程の受検に臨む、あるいは後期日程を視野に準備を始めるという人もいることでしょう。

これまで小学校から中学校の9年間で積み上げてきた集大成を発揮できるよう、体調を整えること、平常心でいること、周囲の人に感謝することなど、自分にできる最善を尽くして、本番に臨む”勇気”を蓄えてくれたらと願っています。


特に、面接の場合、みられるのは学力よりも、人間性です。

その人が今まで何をしてきたかが問われる、これは社会に出ても同じことが言えると思います。

未経験であっても、挑戦する力、一つ一つ「できる」を積み上げていく”基礎体力”があれば、道は拓けていくものです。

いずれにせよ、自分にあった方法で本番に臨むこと、それを自分で決めることが、納得のいく結果につながるのではないでしょうか。


中学校登校体験~”巣立ち”を迎える季節~

 2/4、本校の小学6年生は中学校登校体験に出かけました。これまでも様々な機会で中学校での学びを経験してきましたが、残り2か月進学が目前となり、これまでとは少し違う感覚があったのではないかと思います。

1 考えを深める学び~ロジカルシンキングとは?~


ロジカルシンキングとは、理由や根拠をもとに意見を述べるプロセスを通して論理的思考を学ぶものです。

お題は「中学校の校長先生に新しい校則を提案しましょう」という子供にとって興味関心が湧きやすいものでした。

子どもたちは「制服を廃止するべきだ」、「生徒は腕時計を持って来るべきだ」などの意見を発表する中で、「なぜなら、~から」という理由や根拠を明確に述べ、ロジカルな対話を意識できたようです。


2 遊びで交流~体と頭を同時に鍛える~


最高学年として下級生と接する6年生ですが、久しぶりに年上と関わると、可愛らしい一面がみられました。
鬼ごっこでは、中学生のパワフルな走りに本気で逃げ、大根抜きでは力強く引っ張られ、必死にこらえるなど、大いに楽しんだようです。

また、「中学生への質問コーナー」では、代表の子がたくさん質問するなど、交流会をスムーズに進める姿や6年生のことを気遣う声かけなど、学びの多い時間になったようです。

3 輪になって話す~双方向の対話~


車座になっての振り返りの対話。
初めに設定した自分の課題に対する答えや学んだこと、
どんなことを考えて残りの小学校生活を送るかを考えました。


2025年2月6日木曜日

1年生が”スキーリレー”に挑戦~折れない心を鍛える習慣~


薄っすら降った雪で、滑りやすい状況になった緑が丘小のゲレンデ。

午前中は1年生、午後は2年生がスキーの練習をしていました。

1年生はすっかりスキー操作にも慣れた様子で、

初めて、”てっぺん”(校舎1階の高さ)から10mほど下る緩やかなコースに挑みます。

ストックを横にして体の前に構えてバランスをとる作戦です。

ゴール付近は雪が積もっているところもあって、スキーが雪にはまって転んでしまうこともありましたが、それも経験です。

どうしたら安定した状態でとまれるのか、体で覚えていくことが大切です。

踏み固められたグラウンドでは、2チームに分かれてスキーでリレーに挑戦しています。

なんと、アンカーには担任の先生も登場、子どもに負けじと懸命に走る姿に、

子供たちから声援、歓声が沸きあがります。




最初はスキーの板を履くだけでも大変だったのですが、

数回の練習で、ゲレンデの頂上から自分で滑ることができるようになり、

また、平地ではスキーを逆ハの字にしてスケートのように滑走するまでに成長した姿に、

「うまくなったね!」

と先生方は手ごたえを感じ、見守ってくださった保護者の方々にも笑みがこぼれます。


2年生は、腕を左右に振って、自在に左右へターンをする様子がみられました。

練習で身につけた技を生かして、来年はスキー場へ行って滑りを楽しむことができるでしょう。



【コラム2】難問に挑む

「スキー授業は、将来、何に役に立つのですか?」

という1年生が出した”難問”に向き合ってみます。


スキーで転んでも、また立ち上がって滑る。

失敗しても、練習を積み重ねていく過程で、

様々な困難を乗り越える経験値があがります。


それは、

山頂に立った時に見える美しい景色のように、

新しい発見やできる感覚、自信をもつことかなと思うのです。


そんな「自分を好きになる旅」へ、向かっていくことかなと…。


別な言い方をすれば、培われるのは、

『レジリエンス』(折れない心)

でしょうか。


2年生が算数の難問に挑戦していました。

なかなか問題が解けずに、うーんと悩む様子もみえましたが、

1人が正解した瞬間、

(あれ!できたの?)

(どうやってやるの?)

(ひょっとして自分も解ける?)

というように、全体の空気が変わるのです。

すると、少しあきらめムードだった子がまた難問に向かうことも起きるのです。


授業に限らず、様々な場面で子どもたちの学びや遊びの中で起きる競い合いをみていると、

外的な刺激を受けて、思ってみなかったような力を発揮することがよくあります。


地域では行事やイベントなどが行われています。

子どもたちが多くの場に参加して、

自分が成長した実感が湧いてくる経験を積んでほしいと願っています。

2025年1月31日金曜日

スキー授業にみる子どもの発育・発達

5・6年生、3・4年生のスキー授業、それぞれスキー場は違いましたが、やはり、学年によって腕前ならぬ”足前”、経験値の違いを感じました。

スキーは、それほど体力を要するスポーツではなく、自分の体を支える体幹と歩行運動ができれば、何度か練習を積むことで筋力をあまり使わずに滑走することができるようになります。

北海道の学校体育にスキー授業が導入されているのは、こうしたスポーツの特性にあると考えます。

スキーを初めて経験する中で障壁となるのは、スピードに対する恐怖感です。

これを克服して初めて楽しい感覚を味わうことができます。

そのためには、

・動体視力を使う感覚に慣れること、

・用具の使い方と特性を理解すること、

・体の支えるポジションをとること、

・バランスをとること、

などについての練習が必要です。


これを段階的に行っていくわけですが、

体の小さい低学年と、体重が増す高学年では、アプローチが変わっていきます。

初めての場合や経験値が少ない場合は、これらの初歩的な動作をおぼえるために、

グループ別にして練習を行うことで、

一緒に練習する仲間がいることによる心理的安全性を確保し、

練習に向かう意欲を高めることができます。

心理的な不安が強い時には、指導者と一対一で練習するのも効果的です。


そういう細やかな配慮をしながら、スキー学習は運営され、

子どもたちは段階的な経験によって、滑る楽しさを味わっていくわけです。

それを支えてくださる外部指導者の方々や保護者ボランティアのサポートによって、

安全が守られつつ、楽しいスキー授業が運営できているということを実感しております。


特に、初めて経験の一年生には、手厚いサポートをいただいており、ボランティアの皆様の温かな励ましや関わりに心から感謝しております。


1月30日、ゲレンデは湿雪、深雪の状況で、スキー操作は難しいため、ゲレンデ整備を行いました。

スキーを履く集合・待機場所は、保護者ボランティアの方にスノーダンプを使って除雪していただきました。

1年生は3回目のスキー授業だったのですが、毎回、保護者の方々にサポートいただいたおかげで、かなり慣れたのか、ほとんどの子がスムーズにスキーを履くことができていました。

その後の雪山をつかった滑走練習でも、安全に配慮したサポートで、一人一人、自分のペースで滑走する姿がみられました。



【コラム1】雪原での一コマ~1年生の素朴な疑問

スキーの練習のお休み時間に質問コーナーが設定されました。子どもたちから素朴な疑問がどんどん出されました。

〇「スキーの金具の横の細いのはなんでついているの?」

(それは、スキーブレーキと言います。外れた時にスキーが下にすべっていかないようにする道具です。昔はそれがついてなくて、外れたスキーがどんどん滑ってしまって、人にぶつかって怪我をしてしまう事故がおきていました。)

〇「スキー靴はなんでこんなにかたいの?」

(足首を固定できるようにするためです。ブーツを固くすることでスキーに力を伝えることができます。また、昔のスキー靴はやわらかい動物の皮でつくっていましたが、動物がかわいそうなので、今はプラスチックでつくるようになりました。)

〇「どうやったらスキーがうまくなりますか?」

このように、難しい質問が出たときは”主観”で答えるしかありません。

(ご飯をしっかり食べて、練習をたくさんすることです。)

「なんだそんなことか」と、笑いがおきます。


【子どもの遊びとスキー用具の進化】

その昔、”スノトレ”や”スノーブーツ”といった多様な冬靴はなく、ほぼ長靴でした。

大雪のときは深雪の中をこいで歩いていました。

雪が入らないように「きゃはん」をつけている子もいました。

当時、お店にいくと「ミニスキー」という子どものお遊びグッズが売っていました。

長靴よりも少し大きめのサイズで、それをつけて学校の築山などで遊んでいました。

家の前にジャンプ台と称した雪山をつくり、ジャンプ選手になりきり、”跳躍しては転ぶ”遊びをしていました。

その遊びの延長で学校にいくときもミニスキーをつけて走って通っていました。

スケートのようにスケーティングをして走るのですが、かかとの後ろ部分が短いため、

少しでも後ろに体重がのるとバランスを崩して転んでしまいます。

また、材質がプラスチックなので、踏みつけると簡単に割れてしまいます。

エッジも丸み(サイドカーブ)もないので、ターンはできません。

ですから、ミニスキーの特性を生かすなら、何もせず「まっすぐ滑る」のが正しい乗り方です。


その冬の遊びが、ドイツで幼児むけの遊びプログラムの中にあることを知りました。

「ヒールフリースキー」と言って、ミニスキーと同じように、かかと部分がないスキーです。

スキーを三角にして足を広げる”プルーク”の形はとらずに、スキーを二の字の状態にして、後ろから押してあげて、まっすぐに斜面を滑走する体験をさせるのです。

こうしたプログラムが受け継がれていることから、

本来、スキーは”滑る楽しさを味わう”ことが大切だとされてきたのでしょう。


学校のグラウンドに造成された雪山は、まっすぐ滑っても下が平らになっています。

スキーの上にバランスをとって立っていれさえすれば、次第にスピードが落ちて安全に止まることができます。


つまり、初歩の段階では、ハの字ストップやプルークでブレーキをかけることよりも、

滑る体験をさせることで、

「スキーの滑る楽しさを味わう」

ことが大切なのです。


主にヨーロッパで行われているワールドカップスキーでは、優秀な選手を讃えて「キング・オブ・スキー」という称号があります。

その称号に値するのは、スピードをコントロールする回転系の選手ではなく、スピードを競う滑降(ダウンヒル)や大回転を得意とする選手とされているところから、スキーの発展を支えてきた国々の文化背景がみてとれます。

歴史をたどれば、日本にスキーを伝えたとされる”レルヒ少佐”の頃は、現代のようなストックではなく、”一本杖”を使っていたということが記されています。

つまり、スキーはストックに頼るのではなく、”スキーに乗る”体験こそが大切だということなのです。

ストックなしでスキー練習をしていた一年生は、

初めこそハの字ストップでおそるおそる構えていましたが、

滑り始めると、二本のスキーがスルスルっと寄っていき二の字になり、

平らなところまで、まっすぐに滑っていく子がたくさんいました。

途中、ふらふらしながらも、

手を広げたり、前に伸ばしたり、後ろに構えたりと、

様々なスタイルで滑るときのバランス感覚を試していました。


歴史的背景は知らずとも、理にかなった練習に果敢に挑戦していたこと、

そして、やってみた後に感じた「はてな?」を繰り出す前向きな思考と態度に驚きました。


極めつけの問い、

「スキー授業って、将来、何に役立つの?」

という難題には、なかなか答えるのが難しく、咄嗟に、

「それは、将来、自分でみつけましょう。」

と”宿題”にしました。子どもたちは、笑いながらズッコケてました。


【コラム2】2年生は上から直滑降

午後には、湿った雪が降りしきる中で2年生が直滑降に挑戦、どこまでいけるかを競う様子がみられました。

安全に止まれることがわかっているからこそ、スピードを出すことにチャレンジする様子から、1年生で練習してきた”経験値”を感じました。

今後の練習によって、益々の”進化”が楽しみです。




2025年1月23日木曜日

「味覚のアトリエ」出前教室~感動を「味わう」

22日、5年生の家庭科で「味覚のアトリエ」出前教室が行われました。

メイン講師の阿部 仁さん(エスコンフィールドHOKKAIDO VIPエリアのシェフ)の他、Fビレッジの関係の方々、教育委員会の方々にサポートいただきました。

日本ハム、防災食育センター職員の方々、保護者の方々も参観されました。


「味覚のアトリエ」授業では、スライドのコンテンツにそって要所でポイントを示しながら、フランス料理のように順に運ばれてくるサンプルをもとに、5つの味覚(塩味、苦味、酸味、甘味、旨味)を五感をフルに働かせて「味わう」体験をしました。


 カップに入ったサンプルを口にしたとき、子どもの表情が一様に変化し、「すっぱい!」「においが〜」などという呟きが聞こえてきました。


「これはフランス料理で使われている酢です。」

と種明かしがされます。



5番目にサンプルとして出てきたのは、利尻昆布を使った出汁です。

「味噌汁みたい」、「だし巻き玉子だ」


など、子どもたちは、日本の食文化や美味しさに改めて目を向けたようです。



 様々な子どもの感想をインタビュー形式でシェフの方々がひろいあげ、味覚は舌だけで味わうものではなく、柔らかいとか、モッチリ感とか、歯ごたえで感じることも含めて五感を使うという学びを共有していきます。


特徴的だったのは、ドライフルーツを使った実験です。

鼻をつまんでドライフルーツを口に含むと、最初は味がしないのですが、手を離すと甘味と酸味が口の中にパーッと広がっていく感じを味わいました。


そして、いよいよ、「味覚のアトリエ」はクライマックスを迎えます。

シェフ特製のデザートが登場すると、子どもたちの目がキラキラと輝きます。

「これは今日の勉強をがんばったプレゼントです。さあ、召し上がれ」

と促されて、

一口頬張ると、

ほっぺたが上にあがり、

目が真ん丸になり、

「美味しい〜!」と声があがり、

体をブルブル震わせるなど、

多様な感激のリアクションが、とても微笑ましかったです。


(その様子を周囲で見ている大人は内心”いいなあ〜”と思っていたことでしょう。その期待に応えてか、授業後、大人にもデザートが振る舞われると、運営に関わった職員の方々も含めて、皆さん嬉しそうに試食され、顔をほころばせていらっしゃいました。特にカヌレの濃厚な味わいは絶品だったようです。)


最後に、シェフから授与された認定証を手にした子どもたちは、深々とお礼をして感謝の意を表していました。

教室を後にする子どもたちの表情から、非日常の”感動を味わった”ことも伝わってきました。


こうした体験学習はキャリア教育の入口として、誰かを喜ばせたいという実感を伴うもので、人のためになる仕事に興味をもつことにつながることでしょう。


今回の学びを子どもたちが自分事としてどう活かすかが楽しみです。


例えば、「味覚のアトリエ」経緯を自分で調べてみることが想定されます。


教育家庭新聞の記事によれば、始まりは1990年、フランスにて、味覚の気づきを子供たちに促す食育運動「味覚の一週間」がもとになっており、日本では、2011年以降、毎年、全国各地で継続されています。

北広島では、2023年度、エスコンフィールドHOKKAIDOに近隣の小学生を招き、三國清三シェフによる特別授業が実施されました。


こうした取組をもとに、学校で「味の基本と食べることの楽しさを体験させたい」という関係者の願いが届き、緑ケ丘小学校での出前授業につながりました。


関係各所の皆様方のご尽力に心から感謝申し上げます。




翌日、5年生の子どもたちが「好きな給食の献立アンケート」をとりたいと取材にきました。すぐに行動を起こす学びに向かう力がとても素敵だと思いました。


私たちにできることとして、毎日の給食においても、子供たちが命をつなぐ自然の恵を感じ、小さな感動を味わう時間が生まれるよう、「いただきます」の挨拶を大切しましょうと伝えていきたいです。

2025年1月21日火曜日

新学期の始まりに~スキー授業にむけて「安心サイン」を送る

 


 始業式、冬休み前の講話内容を振り返り、問いかけてみました。

冬休み中だからこそできる挑戦。みんな何をしたのでしょう?

まず健康でいること。できた人?朝は太陽の光にあたる?外遊びをする?

多くの子が「できた!できた!」と手を挙げます。

夜は暗闇の中で静かに過ごすこと。

あまり手が挙がりません。そこで問いを変えます。

夜更かしをした人?

多数が挙手します。とても正直でクスッとしました。
ここから先が本題への助走です。

心配事はだれかに話すこと?今朝、友達に笑顔で挨拶できたかな?

みんながいつも挨拶をしてくれて、地域の人たちも元気をもらっています。

ニコニコした笑顔から、あったかい気持ちが伝わって、なんだか安心します。

 今日は相手が安心するサインを送ることを考えてみましょう。


「安心するサイン」は、初めて出す言葉なので、具体例としてスキー授業を想定して語りかけます。


「安心サイン」を使えるようになると、まわりの人に助けてもらうことや、事故を防ぐこともできる。

 スキー学習が始まりますね。初めての人もいると思います。今までスキーをしているときに、皆さんはどこを見て滑っていますか?思い出してみましょう。

スキーが見える1mくらい先をみている人?もっと先を見ている人?

  経験値の違いから、挙手が分かれます。

 滑っていると周りのことが見えにくくなります。

 スノーボードをしている人をみたことがある人?

スノーボードをする人は自分の背中側がみえません。

ボーダーの仕草を入れ状況設定し、判断を促します。

だから、ボーダーが前にいたら、どちらに行きますか?

相手の前側の方にいくようにすると安全です。

 

スキーの場合、ヘビみたいにつながってすべるとき、電車ごっこみたいだからトレインといいますが、前の人と近くなると衝突してしまうかもしれない。

同様に状況設定して、意見分布をとります。

 だから、前に人がいるとき、内側なのか外側なのか、どちらに行けばいい?

前の人より外側です。

  2つの場面例から、安心を「つたえる」ことを意識させます。

つまり、相手が見える場所にいくこと。前に人がいたら間をあけること。

「ヤッホー!」「ここにいるよ」「お~い!」と、自分の居場所を伝えるなど、安心サインを送ることで、お互いの安全を守ることができます。

 このあとの時間講師の先生の紹介場面で、日常でも安心サインを送るようにとメッセージを送りました。

お知らせです。A先生が、3学期の間、お仕事をされることになりました。主に6年生の皆さんに勉強を教えてくださいます。ご挨拶をいただきます。

目と耳と心で、安心サインを送りながら、お話を聴きましょう。


そして、17日、高学年スキー授業が北長沼スキー場にて行われました。
雪不足で所々にアイスバーンが出ているという情報もありましたが、
幸い、前日の降雪でスキー場は新雪10~15cmの滑りやすい状態でした。




気温は低めでしたが、午前中は眩い太陽の光がゲレンデを照らし、山頂から眼下に広がる景色は心地よかったようです。




班に分かれた子どもたちは、お互いに周囲の安全に気を配りつつ、思い思いのシュプールを描きはじめました。



山頂付近には、風や滑走者のエッジで削られてカチコチのアイスバーンが出ているところもあったようで、大変な思いをしながら降りてくる子もいました。
また、急な斜面やスピードをあげるなど果敢にチャレンジして、スキーが外れたり、転んだりはあったようですが、誰一人怪我することなく、安全にスキー授業を終えることができました。

子供たちが1年ぶりのスキー授業を楽しめたのは、

冬休み中に事前にスキー場へ連れていってくれた方、サポートしていただいた指導員やボランティアの方々の手厚い関わりや、


用具の準備やお弁当を用意してくださった保護者の皆様方のおかげです。

前日には、5年生がグラウンドでスキーで歩く練習をして準備をしていました。
雪不足で未だ雪山造成ができず、坂を滑る感覚はつかめないまま、スキー場に足を踏み入れた子もいた中で、参加した全員がリフトにのり、自分の足でスキーをコントロールして、安全に斜面を降りることができたことに、それぞれ自信をもってくれたらと思います。

また、中学年はダイナスティースキー場、低学年は学校のグラウンドでスキー授業を行うことになっています。

用具を準備する、スキーを履く、二の字で階段登行をするなど、小さな挑戦の積み重ねが、滑走する感覚を味わうことや、仲間と一緒に楽しく滑るなど、その後の多様な体験につながっていきます。

一人一人のチャレンジと成長する姿が楽しみです。