授業が始まる前の静かな空気の教室を回っていると、中学年のクラスでは、絵本の読み聞かせムービーを見ていました。
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その物語の設定は、喧嘩をしていた姉と妹の訴えを母が仲裁する場面です。
姉のおさがりの服を着ていることを馬鹿にされた妹が泣く泣く訴える中、母は妹の本心に触れます。新しい服を買ってあげるとなだめるのですが、妹は納得しません。
妹の願いは、「おねえちゃんとおそろいの服を着たい」というのです。
最後に、お母さんが「わかったよ、3人で買いに行こう」という話です。
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子どもたちは、関西弁の会話文や感情が伝わってくる表情の絵に釘付けで、クスクスと笑って楽しんでいる様子でした。
お話が終わるやいなや、子どもたちは次々と準備をして授業が始まっていきました。
『一冊の本・絵本が学校を変える』(多賀 一郎)の中で、
一週間のスタートに風を送る本が紹介されていました。
『ぼくとがっこう』(谷川 俊太郎)
絵本ナビで調べてみると、内容が紹介されていました。
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学校に行くのが好きな子も、好きじゃない子も。楽しい日の方が多い子も、そうじゃない日の方が多い子も。学校に行けば、色々なものがあるし、様々な経験をする。もちろん、子どもたちにとって、学校が全てではないけれど。そんな中、少しずつでも「自分の見たいもの」「感じたいもの」を見つけていきながら、卒業する日を迎えられることができたなら。
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谷川さんの詩は教科書や詩文集などで広く知られているところですが、谷川さんが、この本を通じて、子どもたちに伝えたかったことは何かなと興味が湧きました。
様々な場面で「学校は楽しい」という実感をもってくれたらと願うところですが、
その中でも、友だちと遊ぶことは子どもたちにとって大切な時間だと思います。
校長室を訪れた一年生が、「どんな本が好きですか?」と問いかけてきたので、
何冊か手元に置いてあった本をみせてあげました。
その1冊は、『ともだち』(いもと ようこ)です。
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「あるひ なかのいい さんにんの おとこが うみに つりに でかけました」
で始まりますが、嵐がおき、船をなくした3人は氷山の上で選択を迫られます。
流れてきたビンには紙きれが入っていました。
「このびんを ひろったものに ねがいを ひとりにひとつ かなえてやろう」
あかいぼうしのおとこは、「暖炉のそばに つれていってください」と願い、消えてしまいます。
あおいぼうしのおとこは、「スープがあるところに つれていってください」と願い、消えてしまいます。
取り残された、きいろいぼうしのおとこは、「こんなとき、・・・」と、つぶやきました。
その結末は・・・
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きいろいぼうしのおとこのつぶやきは、とてもほのぼのとする言葉です。(続きが気になる方は読んでみてください)
一年生もかなり学校に慣れてきて、朝、自分で本を選んで静かな時間を過ごすことができるようになってきました。
寒さの中でもグラウンドに出てリレーのバトンパスの練習をする子どもたち。
授業では、進んで発表をする、友だちと問題を出し合うなど、よくがんばっているなと感心します。
寒暖の差もあって、体調を整えることに気を遣う日々ですが、
好きなことをしてゆったりと過ごすなど、心を整える時間も大切にしてくれたらと思った一日でした。
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