25日、子どもたちにとって、チャレンジングな一日でした。2~6年生はNRT
(norm-referenced test)学力テストに挑戦しました。GoogleでAI検索をすると以下のような説明が出てきます。
NRTは、全国標準に照らして学力の相対的な伸びや差を客観的に把握でき、基礎・基本~応用的な学力の診断に最適です。教研式知能検査・認知能力検査との相関利用によって、アンダーアチーバーやオーバーアチーバーを確認でき、個々に対応する個人内評価としても活用できます。
平たく言えば、前学年に学んだ教科(国語・算数)の学力の伸びを
全国平均値に照らしてみとるものです。
例えば、80点とったとしても、
全国平均値が80点だと「がんばったね」という評価になり、
65点だと「よくできました」という評価になります。
これをみて、子どもは「国語が得意」とか、「算数はもうちょっとだな」とか、知ることができます。
半面、あまり伸びがみられない場合は、「自分はできないんだな」と落ち込んでしまう、自己肯定感が下がる傾向につながってしまうことも想定されます。
これは人間形成上、あまり好ましくないので、
個人内の伸びに目をむけて、
「この部分はできているね」、
「この問題では説明する力がついたね」
など、”できているところに目を向ける”、
成長が実感できるよう、気づきをうながしていくことが大切になります。
そして、何よりも、「なりたい自分の姿を思い描く」ことが重要です。
そのために、夢や目標を書き出して、意識化することが大切になります。
25日の5年生の道徳の授業では、2人の先生がチームとなって、大谷翔平選手が夢を叶えるまでにどんな取り組みをしたかについて学んでいました。
WBC決勝戦前のスピーチ、「憧れたら越えられない」という仲間のやる気を高めた名言やダイジェスト動画をみて、
24名の子どもたちは、前のめりになって、ガッツポーズをしたり、拍手をしたり、つぶやいやりと、ワクワクした感情が伝わってきました。
その後、テキストに載っているストライクゾーンのような図(マンダラート)の中心に、
5年生の目標を記し、その周囲のマス目に、目標を叶えるために自分ができることを書いていくというプロセスは、大谷翔平選手の追体験そのものです。
6年生の教室でも、道徳の教材をもとに、自分の夢や目標を考える授業が行われていました。
「大人が、”挑戦したほうがいいよ”というのはなぜか?」
という問いかけに、子どもたちは、
「家でもよく言われる」などつぶやきながら、前向きに考えて意見を出していました。
目標を聞かれて話した内容には、
例えば、「周りの人に好かれるようになる」、「趣味のことを人に伝えたい」など、
自分自身に目を向けた意見が多く、中学生を前にした内面の成長、心の揺れ動きなどが受け取れました。
その中で、「まだ考えている途中」という回答があったのですが、これはとても意味のあることだと思いました。
夢や目標は途中で変わる場合があること、そして、考える過程を大切にしたいという願いがあると感じました。
また、6月の運動にむけて、児童会の企画で運動会テーマを募集していますが、6年生はテーマを記すのみならず、なぜそのテーマを考えたのかという理由も記していました。
これも考えるプロセスを大切にする意図が込められていて、良い取り組みだと思いました。
こうした心の動きや行動化の背景にある内面の思いは、数値では測れないもので、「非認知能力」と言われます。
この力が基盤となって、その上に、NRTなどのテストで見とる学力、「認知能力」が積み上げられていきます。
大谷マンダラートには、「運」を味方にするというワードが出てきます。
一方で、160km達成という数値も出てきます。
目標を立てる際には、数値化できるもの、できないもの、両方のバランス感覚をもって、
自分の強みをみつけてのばす、そのための努力の方向を見定めていく働きかけが大切です。
緑陽中学校区の小中一貫教育グランドデザインにある
~大志をつなぐ~に関わりますが、「学びに向かう力・人間性」を育むことは、学力形成の前提条件です。
その点から考えると、
こうした将来設計を考える授業は子どもへの関わり方だけなく、大人が仕事をする上でも役立つものだと思います。
授業参観や、PTAやCS事業の折など、キャリア教育の観点から、学校・家庭・地域で子供の成長を共に見つめる場をつくっていきたいと考えています。
25日のPTA役員会では、今年度の子どもを育ちを支えるPTA活動などについて、和やかな雰囲気の中、活発な意見交流が行われました。
様々な場で皆様方と対話しながら、子どもとともに大人も学び、つながり、成長を楽しむ学校・コミュニティスクールづくりに力を注いでまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。